第27代会長 小巻 明   

 このたび、8月の総会をもって、本研究会の第27代会長の任を賜ることになり、その責務の重さに決意を新たにしているところです。高校籍では久々となりますが、本研究会が小・中・高3校種の教員で構成されている組織であることを踏まえて、小・中学校の実践や研究を改めて学びつつ、本研究会の発展に全力を尽くす所存です。どうぞ、よろしくお願いいたします。

 我が国は、昨年3月に発生した東日本大震災により未曾有の被害に見舞われましたが、被災地では被災した人々が辛く不安な状況の中で、秩序を守り整然と振る舞った行動や自分も被災者でありながら他の被災者に身を捧げる姿は世界の人々に驚きを与え、世界中の人々から称賛されたことは記憶に新しいところです。

 この震災を経験して、幸福の価値観や人生観が大きく変わったという人が多いと思います。また、社会の一員として何を為すべきか考えを深めた人も増えたのではないでしょうか。そんな折に、国民総幸福量(GNH)を国の発展の指標とし、心の豊かさや伝統的な社会・文化、自然を大切に生きている国民の97%が「幸せだ」と答えているブータンの国王夫妻が来日した際には、改めて真の幸福について考える機会を与えられたように思います。

 特別活動が目指すものも、子どもたちが生涯にわたって幸福な社会生活を営む能力を育成することであり、集団活動の中で様々な体験の場を与え、厳しい環境下でも自らを律し、他者を思いやり、共生の精神を貫き、逞しく生きる力を育てることです。今年度の研究協議大会の主題にもある「強い心」を6歳から18歳までの長期にわたり、成長段階に応じて継続的に指導し、確実に身に付けさせていくことが必要です。学校現場でその役目を担う先生方に本研究会の活動を役立てていただければと願っています。