特別活動の教育的意義

第32代会長 新井 正一   

 本年度、村上昭夫先生より引き継ぎを受け、本会の会長を務めさせていただくことになりました新井正一です。昨年度まで事務局長をさせていただいた際には、全国の特別活動にかかわる先生方に、たいへんお世話になりました。 
 私は、本会には、平成6年の東京大会から参加しました。平成10年の北海道大会では自己の実践をまとめ提案をしたこともあります。本会とのかかわりは、四半世紀を過ぎました。歴代会長の志や思いを受け継ぎ、特別活動の充実・発展に少しでも寄与したいと思っております。
 さて、本年度は、第64回全国特別活動研究協議大会を8月に東京で開催する予定でしたが、新型コロナウイルス感染症拡大防止のため、大変に残念ではありますが、大会を中止することにいたしました。本年度の大会が中止となることは、 歴代会長をはじめ、関係の皆様からご意見を頂戴し、会長に就任早々、断腸の思いでの決定であります。もちろん、地方でも大会の中止を決定された地区もあると思います。各地区の会長の皆様も同様のお気持ちであると拝察いたします。
 現在、東京をはじめとする首都圏の学校は、5月末日まで休校となっています。学校が再開されても、3密を避けるため、学級を分割して2グループまたは3グループに分けて、分散登校をするという状況です。これでは、学級(HR)活動はもちろん、児童会・生徒会活動、クラブ活動(部活動)、学校行事の実施も儘ならない状況になります。 
 皆様ご存じのとおり、特別活動は、『集団による実践的な活動』をその特質としています。児童・生徒が学級や学校生活の充実・向上を目指して,自分たちの力で諸問題の解決に向けて具体的な活動を実践するものです。しかし、分散登校では、学級の全員が揃うことはありません。もちろん、学年や学校の全児童・生徒が一斉に集まることもありません。これでは、特別活動を実践する機会自体が危うい状況となっています。こういう状況下で、「何ができるのか。」について本会でも考え、特別活動の大切さや教育的意義が改めて見直される年となるように、全国の先生方のお力をいただき、発信していきたいと思います。

 子どもたちと本会にかかわる皆様が、新型コロナウイルスに感染しないように、また感染しましても重篤にならないように心より願っております。